かつては絶大な人気を誇ったカントリーミュージシャンのバッド・ブレイク。
57歳となった今では落ち目で、仕事があればどこへでも~のドサ周り生活で、
何度も結婚離婚を繰り返し、酒とタバコに溺れるさえない中年男だ。
酔っ払って立ったステージでは、バックバンドに任せて裏でゲロを吐く始末。
マネージャーからは新曲を作れと助言されるが、やる気なし。
弟子みたいな存在だった後輩は、今や絶大な人気を誇り、それもまた彼を卑屈にしている原因だ。
それでも往年のファンは彼の歌を待ち望んでいる。
そんな彼の前に現れたのが、地方紙の記者をしているシングルマザーのジーン。
彼女のインタビューを受けながら心地よい気分になるバッド。
彼女もまた彼に興味をもつ。
バッドは彼女とその息子と交流を重ねるうち、新しい曲も自然と生まれつつあった。
しかし、相変わらず酒を断つことができないバッドだった・・・。
こんなマイナーな映画になぜに観客が多いのかと思ったら、主演のジェフ・ブリッジスがアカデミー賞主演男優賞を、
そして主題歌賞も取ったんですね。
それにしても、熟年夫婦が多かった。二人で観ると安いものね。日曜に、ダンナの休みに合わせて観に来たのかしら~
私はおひとり様でしたが、ポイント利用で無料~♪
そして客層の年齢の高いこと…。
リタイアしつつある中年男性が再度がんばっちゃうお話だからかな~~~
ということで、このバッド、いくらかつてのスターだと言われようとも、電車なんかでは隣に座りたくないおじさんタイプ。
あきらかタバコの臭いはするし、お酒の臭いも常にプンプンしてそう。
お腹はぷっくりだし。色気もない。
ツアーの移動はおんぼれマイカーで、なにせ長距離なせいか、どうやら運転中はズボンのベルトを外し、チャックも半開け状態らしい。いつも車から降りるとチャックを上げてベルトを締めてる。そのシーンがなんかいや~なものを見てるようで嫌いでした。
それとタバコを吸ってばかりのシーン、酔っ払ってるシーン…、どれを取っても好きなシーンはありません。
そういうところにも演出効果があるんでしょうね。落ち目のミュージシャンという・・・。
そんなおっさんなのに、シングルマザーといえ、なぜあんな年の離れたきれいな女性がお近づきになるのか、、、分からん。
やはり、ミュージシャンという肩書きがあるからかな~~?
で、再生不可能な感じのおっさんなのに、あの坊やの相手をするときは、めちゃくちゃ優しいおじさんになるんです。絶対子どもの相手は苦手タイプに見えたのにな。
そこがギャップで、彼女は惹かれたのかな?
彼女たちと出会ったことで、少しは生き方を改めますが、そのまますんなりカムバックとはいきませんでした。
が、またどん底に落ちてからの再生は早かったですね。
依存症を克服するのも、カムバックも、要は自分の気持ち次第。
気づくのが遅すぎますよ。
その立ち直るときに作った曲がまたいい曲で、
それをあの嫉妬してた弟子にあげちゃうんですよね。
弟子は軽そうに見えて(コリン・ファレルね)、師匠がどんなに落ちぶれようと、蔑むこともなく、ちゃんとバッドを尊敬してるんです。エライ、コリンちゃん。
ラストで歌うトミーの歌声は素敵でした。
せっかく主題歌賞も取った作品なのに、最後まで聞かないで席を立つなんて・・・
(観客が多いと立つ人も多い…)
よくある展開のお話でしたが、じっくり落ち着いて観られる映画でした。
(シネ・リーブル神戸)