2010年 02月 04日
「横道世之介」吉田修一(毎日新聞社)
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なんとも変わったタイトルだなあ・・・というのが第一の感想。
へっぽこ侍の物語風な名前ですが、80年代後半のお話です。
晴れて大学生となり長崎から上京した世之介。
暢気で楽天的、いわゆくKYかな~、な彼が、その場の流れでサンバサークルに入り、ひょんなことからバイトを始め、他人の迷惑顧みずクーラー目当てに押しかけ友達になったり、なぜかお金持ちのご令嬢に好かれ、ひょうひょうと学生生活を満喫してゆきます。
害にも得にもならないような世之介で、よ~く考えるとまったくもってうざったい子ですが、みんな知らず知らずのうちに彼のペースにハマッてしまいます。
別に意図してそういう行動を取っているんではなく、ほんと天然なんです。彼なりにあれこれ躊躇したりもしますが、「ま、いっか」みたいな感じでそのまま進んでしまいます。本能のまま生きてる?やっぱ天然です。
天然といえば、ご令嬢・祥子ちゃんもあっと驚く子です。何もかもが庶民とずれているのですが、でもそこが可愛い。純粋。その純粋さで後の仕事を選んだんでしょうけど。
そう、世之介の学生物語の合間に、彼と関わった友人たちの20年後くらいのお話もチラチラ出てきます。日々の生活に追われて、少しくたびれもしつつ・・・。そして「そういえば、世之介ってやつがいたなあ」と思い出します。
実は、世之介くんは・・・
ちょっとネタバレっぽいです。注意!
その後、みんなとは会ってないようで、それぞれ別の道を進んだのですね。
そんなとき、あるニュースが飛び込んできます。
その事故のニュースに彼の名前が出ます。
「え?」
最後に同窓会的なことでもあるのかと思いきや・・・です。
その事前のお知らせ(!)を読んでからは、「それはいつなの、その瞬間を見なくちゃ(読まなくちゃ)だめなの?」と、ちょっと先を気にしつつの展開でした。
そして、同じシチュエイション。
「あれ?」
そうか、これは予兆・・・。
世之介は、何も考えずにただ目の前に山があるから…のごとく行動する人だったのね。だから・・・。
彼がカメラマンになったのも、目の前の「瞬間」に遭遇すれば自然とシャッターを押してしまう、そういう習性があるからなのね・・・。
なんとも不思議な感じの人ですね。
へっぽこ侍の物語風な名前ですが、80年代後半のお話です。
晴れて大学生となり長崎から上京した世之介。
暢気で楽天的、いわゆくKYかな~、な彼が、その場の流れでサンバサークルに入り、ひょんなことからバイトを始め、他人の迷惑顧みずクーラー目当てに押しかけ友達になったり、なぜかお金持ちのご令嬢に好かれ、ひょうひょうと学生生活を満喫してゆきます。
害にも得にもならないような世之介で、よ~く考えるとまったくもってうざったい子ですが、みんな知らず知らずのうちに彼のペースにハマッてしまいます。
別に意図してそういう行動を取っているんではなく、ほんと天然なんです。彼なりにあれこれ躊躇したりもしますが、「ま、いっか」みたいな感じでそのまま進んでしまいます。本能のまま生きてる?やっぱ天然です。
天然といえば、ご令嬢・祥子ちゃんもあっと驚く子です。何もかもが庶民とずれているのですが、でもそこが可愛い。純粋。その純粋さで後の仕事を選んだんでしょうけど。
そう、世之介の学生物語の合間に、彼と関わった友人たちの20年後くらいのお話もチラチラ出てきます。日々の生活に追われて、少しくたびれもしつつ・・・。そして「そういえば、世之介ってやつがいたなあ」と思い出します。
実は、世之介くんは・・・
ちょっとネタバレっぽいです。注意!
その後、みんなとは会ってないようで、それぞれ別の道を進んだのですね。
そんなとき、あるニュースが飛び込んできます。
その事故のニュースに彼の名前が出ます。
「え?」
最後に同窓会的なことでもあるのかと思いきや・・・です。
その事前のお知らせ(!)を読んでからは、「それはいつなの、その瞬間を見なくちゃ(読まなくちゃ)だめなの?」と、ちょっと先を気にしつつの展開でした。
そして、同じシチュエイション。
「あれ?」
そうか、これは予兆・・・。
世之介は、何も考えずにただ目の前に山があるから…のごとく行動する人だったのね。だから・・・。
彼がカメラマンになったのも、目の前の「瞬間」に遭遇すれば自然とシャッターを押してしまう、そういう習性があるからなのね・・・。
なんとも不思議な感じの人ですね。
by mam-san
| 2010-02-04 16:14
| (や行の作家・他)