2006年 06月 05日
ぼくを葬(おく)る (2005年フランス)
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ファッション写真家のロマン(メルビル・プポー)は、ガンであと3ヵ月の命と宣告される。
化学療法を拒否し、家族にも告げず、同居している恋人(男性)には別れを切り出し、ひとり死を待とうとする。
しかし、ロマンの理解者である祖母(ジャンヌ・モロー)にだけは事実を打ち明ける。「どちらももうすぐ死ぬから」と。
そして、ロマンの前に現れたある夫婦。彼らとの出会いにより、自分の生きた証しを残し、穏やかにその時を迎える決意する…。
「8人の女たち」「スイミング・プール」のフランソワ・オゾン監督の最新作。
なんでも、「まぼろし」に続く“死についての3部作”の第2章だそうだ。ということはもうひとつ予定されているのね。
オゾン監督といえば、観る側に「自分で考えなさい」と課題を与えるようなイメージがある。だから、これもどこに伏線があるのかと目を凝らしていた。が、そういう謎解きはなく、「自分の本来の姿を見つめなさい」とでもいうようにじっくり見せるものだった。
ラストの海のシーンは、「ふたりの5つの分かれ路」を思わせる夕日。人間て、最後は海か大地に帰るんだなあと感じる。
余命を宣告されてから、ロマンはやせ衰えていく。自分中心的な仕事ぶりや、家族に対する反発ぶりは消え、立ち振る舞いさえ穏やかになっていく。嫌いだ嫌いだと言っていた子どもさえも、愛しく見えてくる。
すべての目に映るものに愛を感じるようになったのか、デジカメでその瞬間瞬間を残していく。自分はもう見ることは出来ないが、これが記憶に残したかったものだと言っているようだ。
しかし、彼が生涯無縁だと思っていたもの、彼はそれを残した。
命って大きい!
ロマンと祖母とのシーンがよかった。祖母が摘んでくれた鮮やかな薔薇がだんだん萎れてくるのが痛々しかった…。
化学療法を拒否し、家族にも告げず、同居している恋人(男性)には別れを切り出し、ひとり死を待とうとする。
しかし、ロマンの理解者である祖母(ジャンヌ・モロー)にだけは事実を打ち明ける。「どちらももうすぐ死ぬから」と。
そして、ロマンの前に現れたある夫婦。彼らとの出会いにより、自分の生きた証しを残し、穏やかにその時を迎える決意する…。
「8人の女たち」「スイミング・プール」のフランソワ・オゾン監督の最新作。
なんでも、「まぼろし」に続く“死についての3部作”の第2章だそうだ。ということはもうひとつ予定されているのね。
オゾン監督といえば、観る側に「自分で考えなさい」と課題を与えるようなイメージがある。だから、これもどこに伏線があるのかと目を凝らしていた。が、そういう謎解きはなく、「自分の本来の姿を見つめなさい」とでもいうようにじっくり見せるものだった。
ラストの海のシーンは、「ふたりの5つの分かれ路」を思わせる夕日。人間て、最後は海か大地に帰るんだなあと感じる。
余命を宣告されてから、ロマンはやせ衰えていく。自分中心的な仕事ぶりや、家族に対する反発ぶりは消え、立ち振る舞いさえ穏やかになっていく。嫌いだ嫌いだと言っていた子どもさえも、愛しく見えてくる。
すべての目に映るものに愛を感じるようになったのか、デジカメでその瞬間瞬間を残していく。自分はもう見ることは出来ないが、これが記憶に残したかったものだと言っているようだ。
しかし、彼が生涯無縁だと思っていたもの、彼はそれを残した。
命って大きい!
ロマンと祖母とのシーンがよかった。祖母が摘んでくれた鮮やかな薔薇がだんだん萎れてくるのが痛々しかった…。
by mam-san
| 2006-06-05 15:54
| 映画(は)