2006年 06月 17日
「オーデュボンの祈り」伊坂幸太郎(新潮社)
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会社を辞め、恋人とも別れた伊藤は、人生をリセットしたくてコンビニ強盗をする。が、警察に取り押さえられパトカーで護送される。その警察官は、彼の中学の同級生だった。あの悪の塊のようなやつだ・・・。
護送中、パトカーが事故に遭い、伊藤は逃げた。
どこでどうなったのか、気がついたときには見知らぬ島にいた。江戸時代から鎖国を続けていた島だ。
そこにはしゃべるカカシがいた。
100年以上も前からそこに立っていたというカカシ、預言者として島民から敬意を払われていた。
ところがそのカカシが殺される。未来が分かるはずのカカシは、なぜ自分の死を防げなかったのか? 犯人は誰?
そしてさらなる殺人が起こる・・・。
現実離れした飛んでいる話だ。
だが、カカシがたった経緯、どうやったらカカシがただのカカシではなくなるかなどが分かると「な~るほど」などと納得させられてしまいそうだ。
鎖国状態のこの島と、伊藤がいた仙台の街を比較し、前へ前へと進んできた社会のあり方を考えさせられたりもする。
メインは殺人事件の解明なのだが、その緻密な計算=完全犯罪は、パズルの組み合わせのようなもので、これはお見事。
また、一番の魅力は、喋るカカシでもなく、島の住人たちである。どの人もはっきり言って変人。
彼らを頭の中で想像しながら読んでいくが、よく登場する伊藤や日比野よりも、必殺仕事人の桜が印象的だった。私は、高村薫氏の「李歐」とだぶったのだが…。
長い小説だが、一気に読みたくなる一冊。
護送中、パトカーが事故に遭い、伊藤は逃げた。
どこでどうなったのか、気がついたときには見知らぬ島にいた。江戸時代から鎖国を続けていた島だ。
そこにはしゃべるカカシがいた。
100年以上も前からそこに立っていたというカカシ、預言者として島民から敬意を払われていた。
ところがそのカカシが殺される。未来が分かるはずのカカシは、なぜ自分の死を防げなかったのか? 犯人は誰?
そしてさらなる殺人が起こる・・・。
現実離れした飛んでいる話だ。
だが、カカシがたった経緯、どうやったらカカシがただのカカシではなくなるかなどが分かると「な~るほど」などと納得させられてしまいそうだ。
鎖国状態のこの島と、伊藤がいた仙台の街を比較し、前へ前へと進んできた社会のあり方を考えさせられたりもする。
メインは殺人事件の解明なのだが、その緻密な計算=完全犯罪は、パズルの組み合わせのようなもので、これはお見事。
また、一番の魅力は、喋るカカシでもなく、島の住人たちである。どの人もはっきり言って変人。
彼らを頭の中で想像しながら読んでいくが、よく登場する伊藤や日比野よりも、必殺仕事人の桜が印象的だった。私は、高村薫氏の「李歐」とだぶったのだが…。
長い小説だが、一気に読みたくなる一冊。
by mam-san
| 2006-06-17 21:30
| 伊坂幸太郎