2007年 07月 30日
「無銭優雅」山田詠美(幻冬舎)
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40を過ぎた恋人同士の、まったりした恋の物語。
花屋で働く慈雨と予備校教師の栄は、お互いに運命の相手と太鼓判を押すほどの関係。
俗にいう洒落た大人の恋とはほど遠い二人だが、古びた日本家屋に住む栄のもとで、つつましやかな料理に舌鼓を打つ幸せ感は「オトコイ」そのもの。
大人だからってカッコつけた恋をしなくても、いいじゃないの幸せならば、というお話。
山田詠美さんの本は初めてです。
まず最初は、文章やチャプターごとの区切りのつけ方(様々は恋愛小説の一節が折り込まれている)に戸惑う。
慈雨の心の声が≪だらだら≫と綴られているのだが、それが慣れてくるに従い、「うんうん、言えてる言えてる」になって小気味よい。
慈雨は、年老いた両親、兄の家族と一緒に住んでいるんだが、姪っことの力関係などは『美晴さんランナウェイ』(山本幸久)っぽい。見た目、こんな大人でいいのかよ~という叔母と、しっかり者の姪の関係。慈雨はいわゆる小姑という存在ではあるが、読んでいくとこの家族も案外しっくりしていいなあと。
そして何と言っても栄さんのキャラクターがまったりにどっぷり浸かっていていい。
彼は、過去結婚歴があるんだが、今はわけあって古い家にひとり暮らし。その家っていうのが、縁側があって、庭があって、情緒豊か。
しかも、というかこの栄さんは極度の乗り物酔いをする人で、行動範囲は猫の額より狭い。
それでも、本やなんやかで「きょうはパリに行こう!」という極楽な人。
いつも「慈雨ちゃん、慈雨ちゃん」と言う可愛い人。
最後、ちょっぴり涙するところもあるんだけど、この栄さんの側っていうのはほんとに居心地よさそうで、≪まったり≫というのはまさにコレだなあと思えた一冊。
これほどまでにまったりとはいかなくても、自分の日常にこういう場所があるかなあ・・・
花屋で働く慈雨と予備校教師の栄は、お互いに運命の相手と太鼓判を押すほどの関係。
俗にいう洒落た大人の恋とはほど遠い二人だが、古びた日本家屋に住む栄のもとで、つつましやかな料理に舌鼓を打つ幸せ感は「オトコイ」そのもの。
大人だからってカッコつけた恋をしなくても、いいじゃないの幸せならば、というお話。
山田詠美さんの本は初めてです。
まず最初は、文章やチャプターごとの区切りのつけ方(様々は恋愛小説の一節が折り込まれている)に戸惑う。
慈雨の心の声が≪だらだら≫と綴られているのだが、それが慣れてくるに従い、「うんうん、言えてる言えてる」になって小気味よい。
慈雨は、年老いた両親、兄の家族と一緒に住んでいるんだが、姪っことの力関係などは『美晴さんランナウェイ』(山本幸久)っぽい。見た目、こんな大人でいいのかよ~という叔母と、しっかり者の姪の関係。慈雨はいわゆる小姑という存在ではあるが、読んでいくとこの家族も案外しっくりしていいなあと。
そして何と言っても栄さんのキャラクターがまったりにどっぷり浸かっていていい。
彼は、過去結婚歴があるんだが、今はわけあって古い家にひとり暮らし。その家っていうのが、縁側があって、庭があって、情緒豊か。
しかも、というかこの栄さんは極度の乗り物酔いをする人で、行動範囲は猫の額より狭い。
それでも、本やなんやかで「きょうはパリに行こう!」という極楽な人。
いつも「慈雨ちゃん、慈雨ちゃん」と言う可愛い人。
最後、ちょっぴり涙するところもあるんだけど、この栄さんの側っていうのはほんとに居心地よさそうで、≪まったり≫というのはまさにコレだなあと思えた一冊。
これほどまでにまったりとはいかなくても、自分の日常にこういう場所があるかなあ・・・
by mam-san
| 2007-07-30 08:06
| (や行の作家・他)