2007年 09月 07日
「好き、だからこそ」小手鞠るい(新潮社)
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19歳の風子は京都の街でゴンちゃんと出会った。
――なあ風子。俺と一緒になったれや。
――なんでやろ。風子でないと、俺はあかんねん。
というゴンちゃんと結婚した。
身もちぎれるほどの熱い思いを重ねながらも、好き、だからこそ・・・
風子とゴンちゃんで始まった物語は、洋子へと続き、風子から河野さん、河野さんから夏来へと短編集のように繋ぐ。
それぞれが瞬間瞬間、大切な愛と向き合いながら時間は流れてゆく。
小手鞠さんの作品は初めてです。
タイトルに、「もうガラでもないや」と若干の恥かしさもあります。(図書館で、予約本を受け取るときはポーカーフェイスで・・笑)
流れるような美しい描き方に、本当は愛憎劇満載のソープオペラ的な展開であったとしても、どこか幻想的で、こういう愛のあり方もOK、それが真摯な愛かも、と思えます。
たとえば、1章の風子からしてみれば、洋子は邪魔者的存在です。
でもその洋子が主人公となる2章では、洋子の存在も受け入れられます。
ま、それは風子の心決めにも起因していますが、それならば洋子の幸せも続きますようにと祈れます。
風子をめぐってゴンちゃんと河野さんという二人の男性が登場してますが、どちらも違ったタイプですが、それぞれに魅力的なものを持ち合わせています。
関西弁で喋るゴンちゃんが、たとえ「それはあかんでしょ」というコトをしても、「そやな、そんなときはしょうがないもんなあ」と、それがゴンちゃんの誠実さなのだと状況を許してしまうところがあります。(分かる?このニュアンス)
河野さんは、スマート。彼もいろいろあったけど、それを経験してスマートな大人になったような人。
夏来さんの章は、スパイスみたいでした。
あて名のない手紙・・・。そういう発想がとても詩的で美しく、夏来という女性が生身の人間じゃないようなふわりとした印象を受けました。
(この章を読み終えたとき、彼女のファーストキスの場面を読み返しませんでした?)
好きだからこそ、自分はこの道を選ぶ。
好きだからこそ、前に突き進むだけでなく、留まることも、戻ることも、辞めることもある。
大人になるとそれが出来るようになるんだなあ……なんてね。
ちょっと俯瞰して読みすぎたかもしれません。
――なあ風子。俺と一緒になったれや。
――なんでやろ。風子でないと、俺はあかんねん。
というゴンちゃんと結婚した。
身もちぎれるほどの熱い思いを重ねながらも、好き、だからこそ・・・
風子とゴンちゃんで始まった物語は、洋子へと続き、風子から河野さん、河野さんから夏来へと短編集のように繋ぐ。
それぞれが瞬間瞬間、大切な愛と向き合いながら時間は流れてゆく。
小手鞠さんの作品は初めてです。
タイトルに、「もうガラでもないや」と若干の恥かしさもあります。(図書館で、予約本を受け取るときはポーカーフェイスで・・笑)
流れるような美しい描き方に、本当は愛憎劇満載のソープオペラ的な展開であったとしても、どこか幻想的で、こういう愛のあり方もOK、それが真摯な愛かも、と思えます。
たとえば、1章の風子からしてみれば、洋子は邪魔者的存在です。
でもその洋子が主人公となる2章では、洋子の存在も受け入れられます。
ま、それは風子の心決めにも起因していますが、それならば洋子の幸せも続きますようにと祈れます。
風子をめぐってゴンちゃんと河野さんという二人の男性が登場してますが、どちらも違ったタイプですが、それぞれに魅力的なものを持ち合わせています。
関西弁で喋るゴンちゃんが、たとえ「それはあかんでしょ」というコトをしても、「そやな、そんなときはしょうがないもんなあ」と、それがゴンちゃんの誠実さなのだと状況を許してしまうところがあります。(分かる?このニュアンス)
河野さんは、スマート。彼もいろいろあったけど、それを経験してスマートな大人になったような人。
夏来さんの章は、スパイスみたいでした。
あて名のない手紙・・・。そういう発想がとても詩的で美しく、夏来という女性が生身の人間じゃないようなふわりとした印象を受けました。
(この章を読み終えたとき、彼女のファーストキスの場面を読み返しませんでした?)
好きだからこそ、自分はこの道を選ぶ。
好きだからこそ、前に突き進むだけでなく、留まることも、戻ることも、辞めることもある。
大人になるとそれが出来るようになるんだなあ……なんてね。
ちょっと俯瞰して読みすぎたかもしれません。
by mam-san
| 2007-09-07 14:47
| (か行の作家・他)