2007年 10月 02日
題名のない子守唄(2006年イタリア)
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北イタリアのトリエステという街にひとりの女がやってきた。
彼女の名前はイレーナ。ウクライナからやってきた。
アパートを借りて住み、向かいの高級マンションで清掃員として働き始める。
そこには彼女が何かの目的で近づこうとしている家族が住んでいる。
無理矢理(!)そのアダケル家のメイドとなったイレーナは、夫妻の娘テラとの距離を縮めていく。
イレーナがアダケル家に来た目的は何なのか。復讐なのか。
彼女の過去にはいったい何があったのか。
常に緊迫した状態で暮らすイレーナの前に、怖れている男も現れて…。
まず、映画が始まる前に「ネタバレは絶対にしないで!」みたいな文がスクリーンに出ます。
だから、最初から何もかも謎めいてます。
仮面を被った裸の女たちの品定め風景。
男に虐待されているのであろう光景。
それらが全編通してフラッシュバックのように現れ、イレーナの悲惨であったろう過去を想像します。
そして、アダケル家を盗み見したり、忍び込んで何かを探したりするイレーナ。彼女の過去とアダケル家とは何らかの関係があり、その復讐をするためトリエステにやってきたのかなと予想します。
流れる音楽が追い討ちをかけるように、ミステリアスな雰囲気を作っています。しつこいくらい…。それに切羽詰ってます。
そのイレーナの目的はどうやらテラという女の子にあるようなのですが(このくらいは喋っても大丈夫ね?)、この子がフランス人形みたいなんです。
すぐに泣くくせに、気が強い。
なんでも転びそうになっても受け身(?)が出来ない病気みたいなので、耐えず傷をこさえてます。
イレーナはそんなテラに強くなってほしいから特訓をします。愛の鞭ですね。あのシーンは知らない人が見たら虐待ですが、終ればきちんと抱きしめて愛情を伝えてました。あれも母性本能ですよね。さしずめライオンの母ふう。
そして、テラとの信頼関係を築いたイレーナが歌う「題名のない子守唄」、悲しげですが、穏やかで温かいです。
最後には彼女が辿ってきた道、何の目的でこの街に来たのか、すべて明かになります。
でも真実は結果的には虚しいです。
彼女のトリエステでの苦労は何だったのか。
が、他人との関係においても、おそらく人と親しくなるのを避けてきたであろうイレーナにとって、真実がどうであれ、ここで一つの光を見い出せたから決して無駄ではなかったでしょう。
ラスト、ちょっとうるうるでしたよね。
(シネカノン神戸)
「題名のない子守唄」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
余談:
あの男、あれだけメッタ突きされたのに生きているなんて、怪物か…。でも肺をやられたのね。ヒューヒューいってました。
人間の体、何でもお金儲けにしてしまうなんて。これこそ≪産む機械…≫
それと、イレーナとテラの髪型、だんだん似てくるから…
彼女の名前はイレーナ。ウクライナからやってきた。
アパートを借りて住み、向かいの高級マンションで清掃員として働き始める。
そこには彼女が何かの目的で近づこうとしている家族が住んでいる。
無理矢理(!)そのアダケル家のメイドとなったイレーナは、夫妻の娘テラとの距離を縮めていく。
イレーナがアダケル家に来た目的は何なのか。復讐なのか。
彼女の過去にはいったい何があったのか。
常に緊迫した状態で暮らすイレーナの前に、怖れている男も現れて…。
まず、映画が始まる前に「ネタバレは絶対にしないで!」みたいな文がスクリーンに出ます。
だから、最初から何もかも謎めいてます。
仮面を被った裸の女たちの品定め風景。
男に虐待されているのであろう光景。
それらが全編通してフラッシュバックのように現れ、イレーナの悲惨であったろう過去を想像します。
そして、アダケル家を盗み見したり、忍び込んで何かを探したりするイレーナ。彼女の過去とアダケル家とは何らかの関係があり、その復讐をするためトリエステにやってきたのかなと予想します。
流れる音楽が追い討ちをかけるように、ミステリアスな雰囲気を作っています。しつこいくらい…。それに切羽詰ってます。
そのイレーナの目的はどうやらテラという女の子にあるようなのですが(このくらいは喋っても大丈夫ね?)、この子がフランス人形みたいなんです。
すぐに泣くくせに、気が強い。
なんでも転びそうになっても受け身(?)が出来ない病気みたいなので、耐えず傷をこさえてます。
イレーナはそんなテラに強くなってほしいから特訓をします。愛の鞭ですね。あのシーンは知らない人が見たら虐待ですが、終ればきちんと抱きしめて愛情を伝えてました。あれも母性本能ですよね。さしずめライオンの母ふう。
そして、テラとの信頼関係を築いたイレーナが歌う「題名のない子守唄」、悲しげですが、穏やかで温かいです。
最後には彼女が辿ってきた道、何の目的でこの街に来たのか、すべて明かになります。
でも真実は結果的には虚しいです。
彼女のトリエステでの苦労は何だったのか。
が、他人との関係においても、おそらく人と親しくなるのを避けてきたであろうイレーナにとって、真実がどうであれ、ここで一つの光を見い出せたから決して無駄ではなかったでしょう。
ラスト、ちょっとうるうるでしたよね。
(シネカノン神戸)
「題名のない子守唄」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
余談:
あの男、あれだけメッタ突きされたのに生きているなんて、怪物か…。でも肺をやられたのね。ヒューヒューいってました。
人間の体、何でもお金儲けにしてしまうなんて。これこそ≪産む機械…≫
それと、イレーナとテラの髪型、だんだん似てくるから…
by mam-san
| 2007-10-02 21:12
| 映画(た)