2008年 09月 11日
「平等ゲーム」桂望実(幻冬舎)
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瀬戸内海に浮かぶ「鷹の島」。
そこは理想郷、ユートピア。島の人口は常に1500から1600人をキープ。誰かが島外に出ていけば、その分「本土」からの移住を受け入れる。パンフレットを配りアンケートに答えた人には移住の権利を与える。
仕事は抽選で決め4年交代。競争はなし。嫉妬や私欲は一切なし。何かを決めるときは投票。これぞ平等、まさに理想の社会。
勧誘係をしている芦田耕太郎は、鷹の島で生まれ育ち、ユートピアを信じて34年間生きてきた。
ところが、本土の人と接するうち、彼の心の中に初めての感覚が芽生え出し戸惑う。
またユートピアであるはずの島もいつのまにか…。
確かに、学校・会社における競争ばかりの毎日や、格差社会、他人への嫉妬、、、、etc.
本当のゆとりある暮らしをしたくなりますよね。
穏やかな海を眺めてゆったり暮らす。
耕太郎はそんな環境で育ったから実に「いい人」です。
妬ましいとか、悔しいとかを経験したことがないんです。
最初は「ああ、こんなに素直で素朴な人っていいよなあ」なんて思いましたが、いや待てよ、です。
耕太郎が育ってきた鷹の島って、表面上はユートピアなんだけど、見方によれば閉鎖的で自由のない独裁社会のようですね。
彼が勧誘しようとする「本土」の人たちが言うように、一度挫折を味わっても、もう一度トライして、それで出来たらその達成感に歓喜する。人間だっていろんな人がいる。個性があったほうがいい。平等と個性がうまく合体していけばいい。
耕太郎が少しずつ脱皮していく様子に、じりじりするけど、母性本能的に応援したくなりますね。
ほんとに、無垢でイノセントで、ガラスのようで、まるでタイムマシンに乗ってきた少年のようでした。
ちょっと変わった設定で面白い小説でした。
そこは理想郷、ユートピア。島の人口は常に1500から1600人をキープ。誰かが島外に出ていけば、その分「本土」からの移住を受け入れる。パンフレットを配りアンケートに答えた人には移住の権利を与える。
仕事は抽選で決め4年交代。競争はなし。嫉妬や私欲は一切なし。何かを決めるときは投票。これぞ平等、まさに理想の社会。
勧誘係をしている芦田耕太郎は、鷹の島で生まれ育ち、ユートピアを信じて34年間生きてきた。
ところが、本土の人と接するうち、彼の心の中に初めての感覚が芽生え出し戸惑う。
またユートピアであるはずの島もいつのまにか…。
確かに、学校・会社における競争ばかりの毎日や、格差社会、他人への嫉妬、、、、etc.
本当のゆとりある暮らしをしたくなりますよね。
穏やかな海を眺めてゆったり暮らす。
耕太郎はそんな環境で育ったから実に「いい人」です。
妬ましいとか、悔しいとかを経験したことがないんです。
最初は「ああ、こんなに素直で素朴な人っていいよなあ」なんて思いましたが、いや待てよ、です。
耕太郎が育ってきた鷹の島って、表面上はユートピアなんだけど、見方によれば閉鎖的で自由のない独裁社会のようですね。
彼が勧誘しようとする「本土」の人たちが言うように、一度挫折を味わっても、もう一度トライして、それで出来たらその達成感に歓喜する。人間だっていろんな人がいる。個性があったほうがいい。平等と個性がうまく合体していけばいい。
耕太郎が少しずつ脱皮していく様子に、じりじりするけど、母性本能的に応援したくなりますね。
ほんとに、無垢でイノセントで、ガラスのようで、まるでタイムマシンに乗ってきた少年のようでした。
ちょっと変わった設定で面白い小説でした。
by mam-san
| 2008-09-11 21:04
| 桂望実