2008年 11月 02日
トウキョウソナタ(2008年日本)
|
東京、線路沿いの小さな家で暮らす家族の崩壊と再生の物語。
総務課長として働く佐々木竜平は突然リストラを宣告される。家族に言えぬまま毎日ハローワークに通い、公園で無料配給の昼食をとる。
妻の恵はそれを知らずに毎朝夫を送り出し、夜は家族の食事を作り夫が食卓につくのを待つ。
大学生の長男・貴は家族を守るためアメリカの軍隊に入ると言い出す。
小6の次男・健二はピアノの才能に目覚め、親に内緒でピアノ教室に通う。
ごく普通の家庭が、ある日気づいたらみんなバラバラの方向に向いていた…。
カンヌ映画祭で「ある視点」部門審査員賞受賞作品だそうで、結構注目度が高かったので、是非観たいと思ってました。
私の好みですが、香川照之さんと小泉今日子さんが出演されている映画はだいたい悪くないのでは?・・・と。
これもクセがあり、「?」のところもありましたが、まあまあよかったです。
香川さん演じるお父さんがいいです。
会社勤めをしていた頃はかなり真面目で仕事に忠実な人だったってにじみ出てますし、そんな彼がとつぜんリストラされ思考力が止まってしまったような様子もどこか滑稽ながら哀愁も漂ってます。働き盛りでのリストラは本当に大変ですよね。大変ですよねってなんて気安く言えるもんでもないだろうし。ましてや彼のように父親は「威厳」あってこそと思ってる人にとっては、妻に打ち明けるとか相談とかは出来ないんでしょうね。
あの同じくリストラされていた友人の場合もイタイです。あんな贅沢そうなお家があって、やっぱり失業中だとは言えなくて…。あの家に住んでいて失業中だとキツイわなあ・・・と、竜平さんも思ったでしょうね。
今まで当たり前のように回っていた歯車が突然かみ合わなくなったとき、それを修正できるかどうか。家族という油をさせばまたなんとか回るのに…。そう思うのは気楽すぎるのかな。
佐々木さんちの場合、妻がなんとなく気づいた時点で、あの恵さんならうまく修正していくのかなあと思っていたら、その矢先にどんどんヘンな方向に走っちゃって。
恵さんも家庭内で壊れつつあったんですね。「誰か私を引っ張って」という彼女の台詞はちょっとハッとしました。彼女もまた家の中では孤独で、自分の存在というのは妻や母という代名詞でしかないのかと。
長男が当然のように口にした「離婚しちゃえば」というのも、家庭内での役としてじゃなく個人として自分を見つめてみればもっと輝くのに・・・とでも言いたかったのでしょうか。
それにしてもこの家族は、突如としていろんなことがそれぞれに起こって、≪お父さん=リストラ、大金を拾う、轢き逃げ お母さん=強盗、逃避行 長男=軍隊 次男=ピアノの才能、家出≫なのに、最後はそんなことなかったように平然と食卓につく。目に見える変化(家の中だとか、体の傷だとか)もあえて口にしない。不思議な家族です。
そしてラスト、これも唐突といえば唐突なんですが、うまく感動的に終わりました。「月の光」ですか、竜平さんの涙は父親のプライドも捨て素直に流れた涙でしょう。
あの靴音だけの演出は、その後の家族がどうなるか観てる側の想像力をかきたてますし、とても印象に残ります。
よく言われますよね。波風あってこそ絆が深まる・・・って。
(梅田ガーデンシネマ)
それにしても、
役所さんの強盗は唐突すぎるし、ひとり騒ぎ立てて、ひとり去って(!)いって、「何だったの?」ですが、あの奇行が恵さんを変えたんですものね。
それと、健二くんの突然変異のピアノの才能。たった数ヶ月であんなに弾けるようになるんだ。まさに神童。
で、リストラされてたお父さんは新しい仕事が決まったのかしら。音楽学校って学費高いんじゃないの?
総務課長として働く佐々木竜平は突然リストラを宣告される。家族に言えぬまま毎日ハローワークに通い、公園で無料配給の昼食をとる。
妻の恵はそれを知らずに毎朝夫を送り出し、夜は家族の食事を作り夫が食卓につくのを待つ。
大学生の長男・貴は家族を守るためアメリカの軍隊に入ると言い出す。
小6の次男・健二はピアノの才能に目覚め、親に内緒でピアノ教室に通う。
ごく普通の家庭が、ある日気づいたらみんなバラバラの方向に向いていた…。
カンヌ映画祭で「ある視点」部門審査員賞受賞作品だそうで、結構注目度が高かったので、是非観たいと思ってました。
私の好みですが、香川照之さんと小泉今日子さんが出演されている映画はだいたい悪くないのでは?・・・と。
これもクセがあり、「?」のところもありましたが、まあまあよかったです。
香川さん演じるお父さんがいいです。
会社勤めをしていた頃はかなり真面目で仕事に忠実な人だったってにじみ出てますし、そんな彼がとつぜんリストラされ思考力が止まってしまったような様子もどこか滑稽ながら哀愁も漂ってます。働き盛りでのリストラは本当に大変ですよね。大変ですよねってなんて気安く言えるもんでもないだろうし。ましてや彼のように父親は「威厳」あってこそと思ってる人にとっては、妻に打ち明けるとか相談とかは出来ないんでしょうね。
あの同じくリストラされていた友人の場合もイタイです。あんな贅沢そうなお家があって、やっぱり失業中だとは言えなくて…。あの家に住んでいて失業中だとキツイわなあ・・・と、竜平さんも思ったでしょうね。
今まで当たり前のように回っていた歯車が突然かみ合わなくなったとき、それを修正できるかどうか。家族という油をさせばまたなんとか回るのに…。そう思うのは気楽すぎるのかな。
佐々木さんちの場合、妻がなんとなく気づいた時点で、あの恵さんならうまく修正していくのかなあと思っていたら、その矢先にどんどんヘンな方向に走っちゃって。
恵さんも家庭内で壊れつつあったんですね。「誰か私を引っ張って」という彼女の台詞はちょっとハッとしました。彼女もまた家の中では孤独で、自分の存在というのは妻や母という代名詞でしかないのかと。
長男が当然のように口にした「離婚しちゃえば」というのも、家庭内での役としてじゃなく個人として自分を見つめてみればもっと輝くのに・・・とでも言いたかったのでしょうか。
それにしてもこの家族は、突如としていろんなことがそれぞれに起こって、≪お父さん=リストラ、大金を拾う、轢き逃げ お母さん=強盗、逃避行 長男=軍隊 次男=ピアノの才能、家出≫なのに、最後はそんなことなかったように平然と食卓につく。目に見える変化(家の中だとか、体の傷だとか)もあえて口にしない。不思議な家族です。
そしてラスト、これも唐突といえば唐突なんですが、うまく感動的に終わりました。「月の光」ですか、竜平さんの涙は父親のプライドも捨て素直に流れた涙でしょう。
あの靴音だけの演出は、その後の家族がどうなるか観てる側の想像力をかきたてますし、とても印象に残ります。
よく言われますよね。波風あってこそ絆が深まる・・・って。
(梅田ガーデンシネマ)
それにしても、
役所さんの強盗は唐突すぎるし、ひとり騒ぎ立てて、ひとり去って(!)いって、「何だったの?」ですが、あの奇行が恵さんを変えたんですものね。
それと、健二くんの突然変異のピアノの才能。たった数ヶ月であんなに弾けるようになるんだ。まさに神童。
で、リストラされてたお父さんは新しい仕事が決まったのかしら。音楽学校って学費高いんじゃないの?
by mam-san
| 2008-11-02 12:57
| 映画(た)