2010年 02月 26日
「父を葬る」高山文彦(幻戯書房)
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ノンフィクション作家の著者が書いた自伝的私小説。
故郷高千穂で、末期がんと痴呆症を患う父を看取る覚悟を決めた主人公と母親の葛藤の日々を描く。
ひとり田舎で暮らす父がいる私には、ちょっと酷なタイトルの本ですが、
今後をどう見つめるか自身に問う意味でも心して読んでみました。
まず、故郷のことを改めて考えてみました。
どういう位置づけをするのか・・・
帰省とは、ふるさとに親族がおり、その親族のご機嫌うかがいに帰ること。帰郷とは、ひとりも親族のいなくなったふるさとに、たったひとりで帰ること。ふるさとに自分も骨を埋めるために、そこで暮らそうと決めて帰ることも指すらしい。ならばいまの自分の場合、帰省だが、父が死に、そして母がどれくらい生きるか知らないが、母が死んだら、帰郷ということになる。
そんな故郷を舞台に、幼い頃の記憶の中の父親や、父親が辿ってきた人生を振り返りながら、今まさに死にゆく親とどれだけ真剣に付き合っていくかを、介護の現場目線で綴っています。
きれいごとでなく、こんなことタブーだろうなと思えることも交えながらなので、生々しいといえば
生々しかったです。
つれあいを介護し、看取った母親の姿は、とても痛々しく、自分ならそんなふうになりたくないけれど、あれが本来の曝け出した姿なんだろうなとか思ったりもしました。
ただ、ある老人の言葉がやはり心に残ります。
「でもな、あの世とは、よかとこらしいじゃないか。行ったっきり、ひとりも帰って来たもんはおらん」
それなら、心を込めて葬り出してやろうじゃないかと。
今の私の年で読むことが出来てよかった・・・
故郷高千穂で、末期がんと痴呆症を患う父を看取る覚悟を決めた主人公と母親の葛藤の日々を描く。
ひとり田舎で暮らす父がいる私には、ちょっと酷なタイトルの本ですが、
今後をどう見つめるか自身に問う意味でも心して読んでみました。
まず、故郷のことを改めて考えてみました。
どういう位置づけをするのか・・・
帰省とは、ふるさとに親族がおり、その親族のご機嫌うかがいに帰ること。帰郷とは、ひとりも親族のいなくなったふるさとに、たったひとりで帰ること。ふるさとに自分も骨を埋めるために、そこで暮らそうと決めて帰ることも指すらしい。ならばいまの自分の場合、帰省だが、父が死に、そして母がどれくらい生きるか知らないが、母が死んだら、帰郷ということになる。
そんな故郷を舞台に、幼い頃の記憶の中の父親や、父親が辿ってきた人生を振り返りながら、今まさに死にゆく親とどれだけ真剣に付き合っていくかを、介護の現場目線で綴っています。
きれいごとでなく、こんなことタブーだろうなと思えることも交えながらなので、生々しいといえば
生々しかったです。
つれあいを介護し、看取った母親の姿は、とても痛々しく、自分ならそんなふうになりたくないけれど、あれが本来の曝け出した姿なんだろうなとか思ったりもしました。
ただ、ある老人の言葉がやはり心に残ります。
「でもな、あの世とは、よかとこらしいじゃないか。行ったっきり、ひとりも帰って来たもんはおらん」
それなら、心を込めて葬り出してやろうじゃないかと。
今の私の年で読むことが出来てよかった・・・
by mam-san
| 2010-02-26 16:08
| (た行の作家・他)