2010年 06月 14日
告白(2010年日本)
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説明不要と思われるくらい有名なベストセラー、湊かなえさんの「告白」が原作です。
これが映画化されると知ったとき、「これをどうやって?」と驚きました。そしてあの先生役が松たか子さんと聞き、「どうなんだろう?」とも。
がっ、
きょう鑑賞してみて、もうなんだかぞわぞわ~~っとしてしまいました。
松たか子さん、すごいです。
まず、原作でもあるように、冒頭、森口先生の「告白」から静かに始まります。彼女の口調はあくまで静かに、ですが、教室は「こいつらっ!」と思うほどざわついています。
配られた牛乳をクラスメイトに投げつけたり、ぼとんと落としたり、先生の話も聞かず音楽は聞くわ、メールはするわ、喋り倒すわ、あげく教室を抜け出し友達をリンチにするわ、、、
どうしようもない生徒たちです。
そんな中、森口先生がこの教室に冷酷で静かな爆弾を落とします。
「私の娘はこのクラスの生徒に殺されました」と。
この「告白」を、森口先生=松たか子さんは、感情を抑え、淡々と、ほんとに淡々と語ります。
その語りに引き込まれ、観ている私も身動き取れなくなりそうでした。
そんな呪縛にかけられたまま、映画はあっという間に2時間過ぎていきます。
「告白」をした後、森口先生は学校をやめますから、もう前面には登場しません。
新学期になって彼らの生活はどう変化しているのか、特に犯人の二人の背景とその後の状態を描いています。
しかし、ところどころ登場する森口先生はある意味不気味です。
この映画を観て感じたことが二つあります。
森口先生も言ってましたが、まずは「少年法」ですね。
13歳の彼らは、どんな罪を犯そうとも少年法で守られている。
罪を罪とも判断できない未熟な頭のまま、言うことだけ大人になってしまう。
子どもたち全部がそうじゃなく、ほんとに一部の、一握りの子だけなんですが、
そんな子によって大切な命を奪われたほうはたまったもんじゃないです。
これは誰が悪いのか。家庭か、社会か。。。
二つ目。
その家庭の要である母親です。
森口先生は、いろんな事情を乗り越えて娘さんと懸命に暮らしていた。かけがえのない娘だったからこそああゆう行動に出た。
そして犯人の少年Bの母(木村佳乃さん)も、息子を守ろうとただそれだけに全てを注いでいました。
自分の命にかえてでも守りたいのが子です。
少年Aは、出て行った母親に愛されたいと切に願っていたその気持ちがそもそも事の始まりですし。。。
みんな子と母親は強~い絆で繋がっているんですよ。
守る、守られる、、、その方法を間違えるとこうなっちゃうんですね…。
それと気付きましたが、ここには父親不在です。
先生のほうは仕方ないのですが、
少年Aの父親は何やってんだと。
息子が、母親が、あんな状態なのにすべて他人事ですか。
そのあたりちょっと何だかな~と批判がましく観てました。
それにしても最後の最後まで、
ほんとに、息をのむほどのすごい映画でした。
*一部、グロテスクな映像もあるのでそういうのがだめな人は、映画そのものがだめって言うかも~
でも映像は凝っていて、飽きさせない映画でした。
(TOHOシネマズ西宮OS)
by mam-san
| 2010-06-14 21:31
| 映画(か)