2006年 06月 22日
「女王様と私」歌野晶午(角川書店)
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完璧なオタク男真藤数馬が、妹を連れて買い物中に、来未という少女と出会う。彼女の女王様のようなふるまいに、妹の忠告も聞かず下僕のごとく従う数馬。やがて、彼はとんでもない殺人事件に巻き込まれていく。
というあらすじだが、単純な推理小説とはちょっと違う。
以下、ネタバレに近い表現も出てくるので、未読の方は要注意です。なるべく分かりにくい表現をしていますが…。
ただ、読後感想としては「いや~なものを見てしまった」ような感じ。スリルがあり一気に読みたくなるが、好き嫌いは分かれるでしょう。
①真藤数馬のうんざりするような現実
②真藤数馬のめくるめく妄想
③真藤数馬のまぎれもない現実
①はプロローグ、②が本編、③がエピローグみたいなもんだが、①を軽くスルーして読んだらあとで「痛い目」に遭う。
この小説、軽く騙されるのが3つほど、大きく騙されるのが2つある。
『葉桜の季節に君を想うということ』では大きく1つだったが、それに似たトリックが小さくある。騙されたというより、こっちが勝手に思い込んだだけかもしれないが。
すぐにバレる3点は、来未という少女、「彼女は彼」
妹の正体、「完全におかしいよ!」
数馬の実体、「電車男とタメくらいだと思ってた」
次は本編での数々の事件。これが○○だったのだ。「ちゃんと最初に大きく書いてあるでしょ」と言われればそれまでだが。
最後に、これこそが「真相」という「現実」
そこで一気に数馬の「株価暴落」
まあ、これほど嫌な主人公はそうざらにはないと思う。誰もがたぶん「タイプではない」と言うだろう。
大人になっても親に寄生し、ロリコン趣味のオタク男。それだけでまだ性格が良ければ救われる。が、この男は救われない。
広い心で理解して受け入れてあげることが彼が「真っ当」になるための手助けであり、気高い人間であると思うが、私はパス。
途中、いいやつにチラッと変化していくんだけど…、現実はやっぱり救いようのないやつだった。
でも実際にあるかもしれない、こういうケースは…。
怖い話です。
あ、あの「切り札」ってずるいな。
というあらすじだが、単純な推理小説とはちょっと違う。
以下、ネタバレに近い表現も出てくるので、未読の方は要注意です。なるべく分かりにくい表現をしていますが…。
ただ、読後感想としては「いや~なものを見てしまった」ような感じ。スリルがあり一気に読みたくなるが、好き嫌いは分かれるでしょう。
①真藤数馬のうんざりするような現実
②真藤数馬のめくるめく妄想
③真藤数馬のまぎれもない現実
①はプロローグ、②が本編、③がエピローグみたいなもんだが、①を軽くスルーして読んだらあとで「痛い目」に遭う。
この小説、軽く騙されるのが3つほど、大きく騙されるのが2つある。
『葉桜の季節に君を想うということ』では大きく1つだったが、それに似たトリックが小さくある。騙されたというより、こっちが勝手に思い込んだだけかもしれないが。
すぐにバレる3点は、来未という少女、「彼女は彼」
妹の正体、「完全におかしいよ!」
数馬の実体、「電車男とタメくらいだと思ってた」
次は本編での数々の事件。これが○○だったのだ。「ちゃんと最初に大きく書いてあるでしょ」と言われればそれまでだが。
最後に、これこそが「真相」という「現実」
そこで一気に数馬の「株価暴落」
まあ、これほど嫌な主人公はそうざらにはないと思う。誰もがたぶん「タイプではない」と言うだろう。
大人になっても親に寄生し、ロリコン趣味のオタク男。それだけでまだ性格が良ければ救われる。が、この男は救われない。
広い心で理解して受け入れてあげることが彼が「真っ当」になるための手助けであり、気高い人間であると思うが、私はパス。
途中、いいやつにチラッと変化していくんだけど…、現実はやっぱり救いようのないやつだった。
でも実際にあるかもしれない、こういうケースは…。
怖い話です。
あ、あの「切り札」ってずるいな。
by mam-san
| 2006-06-22 12:43
| 歌野晶午