2007年 02月 27日
長い散歩(2006年日本)
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高校で校長をしていた安田(緒形拳)は定年退職後、家を出てアパートで一人暮しを始める。
四角四面にしか生きれなかった彼は、家庭をかえりみず、妻をアルコール依存症で亡くし、一人娘からは憎しみをかっていたのだ。
引っ越し先のアパートの隣には、水商売の女(高岡早紀)が幼い娘(杉浦花菜)と暮らしていた。が、彼女は育児を放棄し、同棲している男とともに女の子を虐待していた。
少女を気にかける安田だったが、見ているだけでどうすることもできなかった。
ある日、ついに見かねた安田は少女を救い出し、旅に出た。途中でアテの無い旅を続ける青年ワタル(松田翔太)とも出会い、少しずつ少女との絆が生まれていく。
しかし、安田は誘拐犯として指名手配されていた…。
奥田瑛二が監督。
悲愴といえば限りなく悲愴な物語。
まともな家庭を作れなかった男が、残りの人生を罪滅ぼしのために生きていこうとする。
親に愛されなかった女が、自分の子の愛し方が分からない。
母親に愛されなかった少女が、大人を信じない。
自分の居場所を見つけられない青年が、生きる希望を見失う。
誰一人として、世間的な幸せを掴んでいない。
この中で少しでも救いがあったのは、安田だけではないだろうか。
とはいっても自分の心の中に、他人を思う気持ちが残っていたというのを実感したことだけ?
あれで絶縁状態の娘は彼を許したのだろうか?
少女サチも、安田と過ごした血の通った数日間で大人の温かさというものを初めて知ったけど、その後は…?
あの母親は子を抱きしめることを出来たのだろうか?
ワタルにいたっては、なぜ?
課題ばかり残して幕を閉じた感じだ。
最後に流れるUAの「傘がない」(井上陽水の名曲)が心に重く響いてくる。せめて終りまで聴きたかった。プッツリ切れた感じで未消化気味。
(梅田ガーデンシネマ)
四角四面にしか生きれなかった彼は、家庭をかえりみず、妻をアルコール依存症で亡くし、一人娘からは憎しみをかっていたのだ。
引っ越し先のアパートの隣には、水商売の女(高岡早紀)が幼い娘(杉浦花菜)と暮らしていた。が、彼女は育児を放棄し、同棲している男とともに女の子を虐待していた。
少女を気にかける安田だったが、見ているだけでどうすることもできなかった。
ある日、ついに見かねた安田は少女を救い出し、旅に出た。途中でアテの無い旅を続ける青年ワタル(松田翔太)とも出会い、少しずつ少女との絆が生まれていく。
しかし、安田は誘拐犯として指名手配されていた…。
奥田瑛二が監督。
悲愴といえば限りなく悲愴な物語。
まともな家庭を作れなかった男が、残りの人生を罪滅ぼしのために生きていこうとする。
親に愛されなかった女が、自分の子の愛し方が分からない。
母親に愛されなかった少女が、大人を信じない。
自分の居場所を見つけられない青年が、生きる希望を見失う。
誰一人として、世間的な幸せを掴んでいない。
この中で少しでも救いがあったのは、安田だけではないだろうか。
とはいっても自分の心の中に、他人を思う気持ちが残っていたというのを実感したことだけ?
あれで絶縁状態の娘は彼を許したのだろうか?
少女サチも、安田と過ごした血の通った数日間で大人の温かさというものを初めて知ったけど、その後は…?
あの母親は子を抱きしめることを出来たのだろうか?
ワタルにいたっては、なぜ?
課題ばかり残して幕を閉じた感じだ。
最後に流れるUAの「傘がない」(井上陽水の名曲)が心に重く響いてくる。せめて終りまで聴きたかった。プッツリ切れた感じで未消化気味。
(梅田ガーデンシネマ)
by mam-san
| 2007-02-27 15:45
| 映画(な)