2007年 12月 06日
やさしくキスをして(2004/イギリス=イタリア=ドイツ=スペイン)
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ケン・ローチ監督作品。
グラスゴー、カトリック系の高校で音楽を教えているロシーンは、常に自分の信じた道を貫くはっきりした女性。
ある日、教え子タハラの兄、カシムと知り合う。彼はパキスタン人、両親は厳格なイスラム教徒で、「家」を重んじる家族の中で育ってきた。
すぐに二人は愛し合うようになるが、二人の間には宗教・人種の壁が大きく立ちはだかる。
長女は同じイスラム教徒の青年と見合いし、カシムには両親が決めたフィアンセと住む新居を庭に増築中だ。
両親はそれが子どもたちの幸せと信じて疑わない。
カシムとロシーンとの仲を知った両親は、異教徒との結婚を許すはずなく、カシムは「家族」の絆とロシーンの間で揺れ動く…。
タイトルからしてやさしく甘いラブストーリーかと思いきや、結構考えさせられる作品でした。
若い二人の好きという感情さえあれば恐いものなし、とはいかないのです。
家と家の格差婚とかなら、周りのちょっとした理解と本人の努力だけでクリアできる部分もありますが、これに宗教・人種が絡んでくると問題は深くなります。
カシムはロシーンをとても愛しているし、こんなにぴったりくる相性の女性はないというくらいです。たぶん…。
でもカシムは「家族」を簡単に切り捨てることもできないのです。移住してきた親戚たちもひっくるめて。
それは自由な考えをもつロシーンには理解しづらいことであり、こんなにお互いが愛し合って求め合っているのになぜ?なんですが、そうはいっても「ならば、君がイスラム教に改宗する?」と聞かれても「YES」とは答えられない。
両親か、カシムか、ロシーンか、誰かが折れないことには解決できないのです。
宗教とは他を受け入れたり融合することもありとは思うんですが、国によってなかなか難しい問題です。
ラストははっきりとした解決には至ってません。
ただ、二人の愛は止められないことだけははっきりしましたが、それも未来永劫なのかどうか分かりません。
現実にどこかで起こっているであろう宗教間・人種間の結婚問題、少しずつでもこの壁を取り除いていければいい…という希望を託してでしょうか。
タハラにしても、両親は医者にさせるようですが、本人は自分の希望するジャーナリストへの道を進むため、親には内緒で大学の推薦を受けます。そして自分の道を進むことをきっぱり宣言します。
でも、両親の期待に添えない人生を選んだとしても、家族はずっと家族だし親への恩は一生忘れないことを伝えます。
これは人として基本的姿勢だと思うんですよね。
家族への思いまでなくなってしまうわけじゃないんですよね。
そこんところ認められないものなんでしょうか。
こういう形はどこの家庭でもあることです。
だから、これからの世代は、親の世代よりもずっとずっと世界が開けているから、宗教とか人種の枠を越えて、個人の生き方を広げていくべきでしょうね。
昔は自分たちのコミュニティーだけで十分満足な社会だったでしょうが、もう違いますものね。
どうか、カシムやタハラの夢が叶いますように。
(レンタルDVD)
グラスゴー、カトリック系の高校で音楽を教えているロシーンは、常に自分の信じた道を貫くはっきりした女性。
ある日、教え子タハラの兄、カシムと知り合う。彼はパキスタン人、両親は厳格なイスラム教徒で、「家」を重んじる家族の中で育ってきた。
すぐに二人は愛し合うようになるが、二人の間には宗教・人種の壁が大きく立ちはだかる。
長女は同じイスラム教徒の青年と見合いし、カシムには両親が決めたフィアンセと住む新居を庭に増築中だ。
両親はそれが子どもたちの幸せと信じて疑わない。
カシムとロシーンとの仲を知った両親は、異教徒との結婚を許すはずなく、カシムは「家族」の絆とロシーンの間で揺れ動く…。
タイトルからしてやさしく甘いラブストーリーかと思いきや、結構考えさせられる作品でした。
若い二人の好きという感情さえあれば恐いものなし、とはいかないのです。
家と家の格差婚とかなら、周りのちょっとした理解と本人の努力だけでクリアできる部分もありますが、これに宗教・人種が絡んでくると問題は深くなります。
カシムはロシーンをとても愛しているし、こんなにぴったりくる相性の女性はないというくらいです。たぶん…。
でもカシムは「家族」を簡単に切り捨てることもできないのです。移住してきた親戚たちもひっくるめて。
それは自由な考えをもつロシーンには理解しづらいことであり、こんなにお互いが愛し合って求め合っているのになぜ?なんですが、そうはいっても「ならば、君がイスラム教に改宗する?」と聞かれても「YES」とは答えられない。
両親か、カシムか、ロシーンか、誰かが折れないことには解決できないのです。
宗教とは他を受け入れたり融合することもありとは思うんですが、国によってなかなか難しい問題です。
ラストははっきりとした解決には至ってません。
ただ、二人の愛は止められないことだけははっきりしましたが、それも未来永劫なのかどうか分かりません。
現実にどこかで起こっているであろう宗教間・人種間の結婚問題、少しずつでもこの壁を取り除いていければいい…という希望を託してでしょうか。
タハラにしても、両親は医者にさせるようですが、本人は自分の希望するジャーナリストへの道を進むため、親には内緒で大学の推薦を受けます。そして自分の道を進むことをきっぱり宣言します。
でも、両親の期待に添えない人生を選んだとしても、家族はずっと家族だし親への恩は一生忘れないことを伝えます。
これは人として基本的姿勢だと思うんですよね。
家族への思いまでなくなってしまうわけじゃないんですよね。
そこんところ認められないものなんでしょうか。
こういう形はどこの家庭でもあることです。
だから、これからの世代は、親の世代よりもずっとずっと世界が開けているから、宗教とか人種の枠を越えて、個人の生き方を広げていくべきでしょうね。
昔は自分たちのコミュニティーだけで十分満足な社会だったでしょうが、もう違いますものね。
どうか、カシムやタハラの夢が叶いますように。
(レンタルDVD)
by mam-san
| 2007-12-06 11:39
| 映画(や)