2008年 02月 21日
「哀愁的東京」重松清(角川文庫)
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進藤は40歳。かつて『パパといっしょに』という絵本で賞を獲ったことのある絵本作家だが、その1作だけで、新作を書けなくなり、今はフリーライターの仕事して生計を立てている。
その彼が、フリーライターをしながら出会ったさまざまの人たちの生き様を描いた連作集。
起業家、ピエロ、作曲家、SM女王、マジシャン…etc.
みんなかつては輝いていた時を持っていた。
しかし、時は移り、過去の栄光の扉を閉めて生きていくことを余儀なくされた人たちだ。
一方、絵本の新作を期待し、進藤にゲキを入れ続ける担当編集者がいる。
彼女の熱意に応えられない進藤だが、彼らをスケッチしながら東京という街が織りなすドラマを感じていた…。
『大人になると何かをあきらめることが増える。』
…と書いていたのは誰のどの作品だったでしょうか。
ふとこの言葉が頭をよぎりました。
でもこのあきらめというのは、マイナスのことだけでなく、人生のひとつの選択とも言えるでしょう。
人は誰だって、年とともに、心も身体も変化してきます。
その変化に抗うことばかりがいいこととは思いません。
変化を受け入れることも生き方です。
とても切なくてもの哀しいんですが、それを受け入れることが「明日も生きていく」ことなんですね。
ちょっとしみじみとなる作品でした。
その彼が、フリーライターをしながら出会ったさまざまの人たちの生き様を描いた連作集。
起業家、ピエロ、作曲家、SM女王、マジシャン…etc.
みんなかつては輝いていた時を持っていた。
しかし、時は移り、過去の栄光の扉を閉めて生きていくことを余儀なくされた人たちだ。
一方、絵本の新作を期待し、進藤にゲキを入れ続ける担当編集者がいる。
彼女の熱意に応えられない進藤だが、彼らをスケッチしながら東京という街が織りなすドラマを感じていた…。
『大人になると何かをあきらめることが増える。』
…と書いていたのは誰のどの作品だったでしょうか。
ふとこの言葉が頭をよぎりました。
でもこのあきらめというのは、マイナスのことだけでなく、人生のひとつの選択とも言えるでしょう。
人は誰だって、年とともに、心も身体も変化してきます。
その変化に抗うことばかりがいいこととは思いません。
変化を受け入れることも生き方です。
とても切なくてもの哀しいんですが、それを受け入れることが「明日も生きていく」ことなんですね。
ちょっとしみじみとなる作品でした。
by mam-san
| 2008-02-21 12:10
| 重松清